2021年度のIT導入補助金を徹底解説。IT導入補助金の申請の方法、申請スケジュールなども含めてご紹介します。
ITツール導入を支援してくれるIT導入補助金。
ITツールを導入する際に、IT導入補助金が支給されるのは企業にとって大変ありがたいことです。
そこで今回は2021年度のIT導入補助金について補助金額や申請の方法、申請スケジュールを含めてご紹介いたします。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは中小企業、小規模事業者等の生産性向上を支援するという目的で支給されます。具体的には、クラウドシステムや業務プロセスの改善と効率化のための汎用的なITツール導入にかかる経費の一部を補助するものです。
補助金の申請には審査があるため、要件を満たせば必ず支給されるわけではないので注意が必要です。
IT導入補助金の申請・手続きの流れ
IT導入補助金を申請するにはいくつかの段階を踏む必要があります。今回は新型コロナウイルス対応のための特別枠の申請の流れについて詳しく解説させていただきます。
特別枠に関する解説はこの記事の後半部分の「テレワークが中心の方向けのIT導入補助金コロナ特別枠(C類型)の内容」をご覧ください。
①申請に必要なgBbizIDを取得する
IT導入補助金の申請は全てオンラインで行う必要があります。そこで、申請の手続きを行うためには行政サービスに利用可能な「gBbizIDプライムアカウント」の利用が必須になりました。
「gBbizIDプライムアカウント」はgBbizIDのホームページから取得することができます。このID一つで様々な行政サービスにログインできるようになるため、補助金に関わらず取得することをおすすめします。
gBizIDプライムアカウントID発行までは2週間ほどかかるため、早めのアカウントの取得が望ましいです。
②導入するITツールを選定する
自社の課題を解決するようなITツールの導入をします。この際に、IT導入支援事業者のITツールかどうかを確認する必要があります。認定されていない事業者のITツールを導入しても補助の対象とならないため、よく確認しなければなりません。
また、必要なITツールが分からない場合は、IT支援事業者や専門家のサポートを受けて選定することもおすすめします。なお、補助の対象となるIT導入支援事業者の一覧は以下のページから見ることができます。
参照:令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業
③申請マイページ開設
ここからは商談を進めているIT導入支援事業者と連携しながら申請を行っていきます。申請者は導入支援事業者から受け取った招待メールに記載のURLから申請マイページの開設を行います。この際、gBizIDを使ってログインすることになります。
④交付申請の作成開始
申請マイページに基本情報、財務情報、経営情報、必要書類の添付、申請類型の情報を入力していきます。この時に添付する必要書類は「法人による申請か」「個人事業主による申請か」によって変わってきますが、今回は法人による申請の場合の紹介をさせていただきます。
法人が交付申請するにあたって、必要な書類は以下の二点です。
・履歴事項全部証明書(交付申請日から遡って、3か月以内)
・法人税の納税証明書(直近分のもので、税務署の窓口にて発行されているもの)
⑤交付申請情報の入力
まず、IT導入支援事業者が申請者が入力した情報を確認し、導入するITツールの情報を入力します。その後、申請者側が申請要件の確認や賃金情報、申請内容の確認をします。
⑥事務局への提出
SMS認証により本人確認を行い、交付申請を事務局へ提出します。事務局へ提出した後に申請内容の訂正や、書類の差し替え等はできません。そのため、提出前に十分に確認する必要があります。
⑦交付決定
事務局による審査を受け、採否結果が通知されます。交付の決定を受ける前に、契約・発注、支払い等を行った申請は補助金の交付を受けることができないため、必ず採否結果が通知され、交付の決定を受けた後に事業を開始しなければなりません。
⑧事業の実施と実績報告
契約・発注を行い、事業を開始させます。支払いの証明をするために、振込明細書やネットバンキングの取引画面を提出します。この際に口座から口座へ支払っていることが確認できる必要があり、現金で支払うことは認められていません。
⑨補助金交付
確定検査の結果、事業が適切に実施されたことが認められると、補助金の交付をします。補助金は事務局から申請事業者へ直接支払われます。IT導入支援事業者は導入後もサポートを行います。
なお、補助金の受給後は申請区分に応じて3年または5年間、生産性向上率の情報の報告を一年に一度行う義務があります。
中小企業・個人事業主がIT導入補助金申請を行う際の注意点
中小企業・個人事業主がIT導入補助金申請を行う際の注意点として「交付決定通知受領後に補助業務を行う」ということが挙げられます。
交付決定前に契約・導入した経費は補助対象になりません。そのため、必ず交付決定を受けた後に補助事業を行ってください。
テレワークが中心の方向けのIT導入補助金「コロナ特別枠(C類型)」の内容
従来、IT導入補助金には通常枠(A類型とB類型)が設置されていました。しかしコロナ渦の2020年、IT導入補助金に「コロナ特別枠(C類型)」が新設されました。このIT導入補助金「コロナ特別枠(C類型)」の通常枠と異なる点はコロナ渦への企業の社会的対応に関わるという点です。これにはテレワークやソーシャルディスタンス必要なITツールの設置などがあたります。
しかし、2021年にはこのコロナ特別枠を改編した新特別枠の「低感染リスク型ビジネス枠」が新設されました。「低感染リスク型ビジネス枠」の詳しい補助金額や補助率に関しては下記の「IT導入補助金の支給金額・補助率」において説明いたします。
2021年度のIT導入補助金「コロナ特別枠(C類型)」の国の予算額
2021年度のコロナ特別枠の国の予算額は2300億円です。低感染リスク型ビジネス枠おける各補助事業として、各補助金では「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」が通常枠とは別で拡充されます。
2020年度のIT導入補助金と2021年度のIT導入補助金の相違点
2020年度のIT導入補助金と2021年度のIT導入補助金の相違点をここでは2つ挙げます。
1つ目は低感染リスク型ビジネス枠の新設です。通常枠は2020年度と内容は同じですが、先ほど「テレワークが中心の方向けのIT導入補助金「コロナ特別枠(C類型)」の内容」で記載したように、2021年にコロナ特別枠が改編され、低感染リスク型ビジネス枠が新設しました。低感染リスク型ビジネス枠にはC類型(低感染リスク型ビジネス類型)とD類型(テレワーク対応類型)があります。
2つ目は、2021年度のIT導入補助金の条件の追加です。
2021年度のIT導入補助金には以下の2つの条件が追記されています。
1.労働生産性の向上を図れるITツールであること
2.複数のプロセス間で情報連携し、複数プロセス非対面化や業務のさらなる効率化を可能とするITツールであること
2021年度のIT導入補助金の補助対象事業者・支給金額・補助率
IT導入補助金を受け取るためには、いくつかの条件があります。
また、IT導入補助金の種類によって支給金額や補助率が異なります。
ここでは、2021年度のIT導入補助金の補助対象事業者・支給金額・補助率についてご紹介いたします。
IT導入補助金の補助対象事業者
IT導入補助金の補助対象事業者には製造業や建設業、運輸業、卸売業、小売業、サービス業などが含まれます。これらの中から、資本金や従業員数に関する条件に該当した業種がIT導入補助金の補助対象事業者となります。
その他のIT導入補助金の補助対象事業者や条件については「IT導入補助金2021」をご覧ください。
IT導入補助金の支給金額・補助率
IT導入補助金には30万~150万円のITツールを導入するA類型、150万~450万円のITツールを導入するB類型、新型コロナ対応の特別枠のC類型、D類型があります。それぞれの補助上限金額や補助率は以下の図の通りです。
補助上限金額 | 補助率 | |
A類型 | 150万 | 2分の1 |
B類型 | 450万 | 2分の1 |
C類型 | 450万 | 3分の2 |
D類型 | 150万 | 3分の2 |
2021年度のIT導入補助金の申請スケジュール
3月12日時点での2021年度のIT補助導入金の申請スケジュールは以下の通りです。
3月下旬ごろ IT導入事業者及びツール登録申請開始
4月上旬ごろ 交付申請受付開始
2020年度のIT導入補助金の採択率
2020年は補助率が上昇したことと新型コロナウイルス、大型システムが適応される条件が整っていたため、申請者が大変多い年でした。そのため、申請率が大きく下がったようです。第一公募を除外すると、2020年度のIT導入補助金の採択率は非常に低く20%前後でした。
2020年に採択されたIT導入支援事業者と対象ソフト一覧
2021年3月時点では2021年度のIT導入支援事業者と対象ソフト一覧はまだ発表されていません。そのため、現状でははっきりとしたIT導入支援事業者と対象ソフトは不明です。
2020年に登録されたIT導入支援事事業者としては株式会社マネーフォワードや株式会社デジジャパンなどが挙げられます。
2020年に登録された対象ソフト一覧については以下の図に記載しております。
システム説明 | ソフト名 |
マンション管理業WEB型システム | Smaw |
高齢者介護システム | 絆Core |
RPAソフト | 名人シリーズ |
業務改善プラットフォーム | Kintone |
ホームページ作成だけではIT導入補助金申請の対象にならない?
これまでIT導入補助金の対象ツールとして申請可能だった「ホームページ作成費用」が2020年度からITツールとして認められなくなりました。
2021年度のIT導入補助金では売り上げや業務改善に直接的に役に立つものでなければ、ITツールとして認められません。しかし、単なるホームページ作成とは異なるECサイト制作費は補助対象として認められています。
まとめ
この記事では2021年度のIT導入補助金の補助金額や申請方法、申請スケジュールについて解説いたしました。
IT導入補助金を活用するためには事前の情報収集が大変重要です。
この記事がIT導入補助金の情報収集をする際のお役に立てれば幸いです。
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