ECサイト制作の種類や手順とは?費用相場、選び方も含めてご紹介!
このように考えている方は多いのではないでしょうか。実際にECサイトの制作方法は様々あり、迷ってしまうことも多々あります。結論から申し上げると、あなたに適した制作方法は以下の通りです。
その他にもECサイトを制作する前にやっておくべき5つのこと、売れるECサイトを制作するための4つのポイントもご紹介しています。
- 自社にあったECサイトの制作方法がわかる
- その制作方法の特徴、費用、手順がわかる
- 売れるECサイトを作るためには何をすべきかわかる
- ECサイトを制作する前と後に何をすべきかわかる
【事業規模別】おすすめのECサイト制作方法とは?
どのECサイトの制作方法を利用するかの判断の基準の1つに自社のビジネス規模があります。
そこで以下では個人事業主の場合、年商が1億円未満の法人の場合、年商が一億円以上の法人の場合、年商10億円以上の法人の場合の4つのビジネス規模にわけてそれぞれにおすすめのECサイト制作方法をご紹介いたします。
ECサイトを個人で制作する場合は無料ASP
ECサイトを個人で制作する場合は無料ASPがおすすめです。無料ASPは自身でソフトをインストールすることなく、簡単にECサイトを制作することができます。無料とはいっても商品管理や決済機能はあらかじめ組み込まれているため個人で運営するには十分機能が揃ったECサイトが制作できます。
代表的な無料ASPには、以下の2つのサービスがあげられます
- BASE
- STORES
無料ASPでECサイトを制作するメリットは以下の4つです。
- 1日でECサイトを開設できる
- サーバーの開設やソフトのインストールが不要なのでつまずきにくい
- システムの運用保守も自社で行う必要がない
- デザインはテンプレートから選ぶだけなのでカスタマイズ性が低い
- 顧客分析機能やマーケティングツールとの連携がしにくい
メディアリテラシーが低くてもECサイトを制作することができるため、ビジネス規模が小さい個人事業主におすすめです。
最後に無料ASPを利用する際の注意点をご紹介します。確かに無料ASPでECサイトを制作すれば初期費用や月額費用はかかりませんが、サービス手数料や決済手数料はかかります。
だんだん商品が売れるようになるとこの手数料が大きな負担になってきます。手数料が気になり始めたら、有料ASPのShopifyに乗り換えることをおすすめします。Shopifyであれば、サービス手数料はかかりません。
ECサイトを年商1億円未満の法人が制作する場合は有料ASP
ECサイトでの年商が1億円未満の法人でECサイトを制作したい場合には有料ASPの利用がおすすめです。
もちろん年商が1億円未満でも予算があって、技術を持っているのであればこの後ご紹介するクラウドECやフルスクラッチでECサイトを制作することをおすすめします。これらの方がカスタマイズ性が高く、思い通りのECサイトを制作することができるためです。
しかし、年商1億円未満の企業はそこまで予算や技術力を持っていないことが多いです。したがって、年商1億円未満の企業はまずは有料ASPで年商1億円の大台を突破してその後クラウドEC、フルスクラッチでさらに売り上げを伸ばすことをおすすめします。
有料ASPでECサイトを制作するメリットは以下の通りです。
- 無料ASPよりも手数料が安い
- 無料ASPよりも決済機能が豊富
- ブログやSNS連携など集客に役立つ機能が搭載されている
- 様々なアプリを利用することでカスタマイズ性のあるECサイトを制作できる
やはり有料なだけあって無料ASPよりもカスタマイズ性が高く、集客・売り上げアップを後押ししてくれる機能が多く揃っています。
有料ASPでは初期費用・月額費用の相場が数千円から10万円と比較的安いです。有料ASPはネットの情報である程度制作できるため、EC開発の担当者に求められるIT技術もそれほど高くありません。
世の中にはたくさんの有料ASPがあるため、どれを利用すればいいか迷ってしまいます。迷っているのであればShopifyを利用することをおすすめします。Shopifyは非常に多機能で商品購入や決済段階での機能が十分備わっているからです。加えてShopifyには以下の4つのメリットがあります。
- 海外販売に対応する機能が多数搭載されているため越境ECに挑戦しやすい
- ECの売り上げや在庫状況をスマホから簡単管理できるため在庫マネジメントにも強い
- テンプレートは100種類以上用意されており、どれもデザインが素晴らしいと良い評判を集めている
- 固定費はかかるが取引手数料なるものは発生しないので売れれば売れるほど経費が抑えられる
ECサイトの年商1億円以上の企業は「パッケージ」か「クラウドEC」
ECサイトでの年商が1億円以上の法人でECサイトの制作をする場合にはクラウドECかパッケージECの利用をおすすめします。
まず、クラウドECとはクラウド上にあるプラットフォームを用いてECサイトを構築するサービスです。
クラウド上でECサイトを制作できるため、自社でサーバーを用意する必要がありません。
クラウドECを利用するとASPよりもカスタマイズ性、機能性が高いECサイトを制作することができます。
クラウドECを利用してECサイトを制作するメリットは以下の通りです。
- システムが自動的にアップデートされるので常に最新の機能が利用できる
- 自動的にセキュリティ対応が行われるので安全性が高い
- トラフィック対策で急なアクセス増加にも対応できる
- フルスクラッチよりも導入期間が短い
- 無料、有料ASPよりもカスタマイズ性が高い
一方でパッケージECとは、ある程度開発されたソースコードをフレームワークとしてECサイトを制作する方法を指します。
ECサイトに必要とされる機能(カート機能。受注管理、売上管理等)が用意されているため、比較的短期間での運用開始が可能です。
基本的な機能を兼ね備えたパッケージ機能に加えて、企業の要望に応じた機能をカスタマイズして追加していけるのも大きな魅力です。
加えてオープンソースとは異なり、パッケージソフトを開発している会社からのサポートを受けられる点がメリットとなっています。
代表的なパッケージは「ecbeing」「EC-ORANGE」です。
パッケージとクラウドECの違いはセキュリティ面にあります。上述したようにクラウドECは自動的にセキュリティ対応が行われるため、安全性が高いです。
これに対してパッケージは自前で用意したサーバーにインストールして利用するため自社でセキュリティ対応をしなればいけません。
パッケージECを利用してECサイトを制作するメリットは以下の通りです。
- フルスクラッチ・クラウドECよりも導入期間が短い
- 無料・有料ASPよりもカスタマイズ性が高い
- その他の制作方法よりも比較的安価で利用できる
このようにそれぞれ多くのメリットが存在するパッケージECとクラウドECですが、どちらのECサイト構築方法にも存在する共通のメリットは物流や受発注などの様々なデータとのシステム連携が可能な点です。
年商1億円を超えるECサイトでは、1日あたりの注文数が100件を超えることも珍しくありません。
注文数が増えるにつれて、受注管理を含む物流業務も多忙なものになります。
そんなときに誤発送などのミスを防ぎ、EC運営を効率化するために必要不可欠なのがシステム連携です。
パッケージECとクラウドECなら、バックエンド業務の負担を軽減し、企業の顧客データベースや基幹システムなどの各システムとECサイトをシームレスに連携させることが可能です。
そのためこの2つに構築方法は、物流業務が膨大な量になる年商1億円以上の企業におすすめです。
上記のように様々なメリットを持っているクラウドECとパッケージECですが、1点気を付けなければならないのは、どちらの構築方法もカスタマイズ性が高いゆえに十分な技術力と能力を持った人材がいなければ、導入することはできないという点です。
カスタマイズするために優秀なベンダーを雇ったとしても、自社のECサイト担当者が自社の利用している業務フローなどを明確にベンダーへ伝えることができなければ、ECサイトの構築は失敗してしまう可能性が高くなるためです。 クラウドECとパッケージECは長期的な目で見るとコストパフォーマンスが高いとはいえ、初期費用には数百万円から数千万円、月額費用に10万円以上とそれなりにコストがかかります。これらの方法でECサイトを構築する際には社内にECサイトの要件を明確にできるような人材がいるのか、仕事を依頼するにあたって信頼できるベンダーを探せているかを明確にしてから行うようにしましょう。
補足:パッケージとクラウドECの違いとは?
そもそもパッケージとはある程度開発されたソースコードをフレームワークとしてECサイトを制作する方法を指します。ECサイトに必要とされる機能(カート機能。受注管理、売上管理等)が用意されています。この上で企業の要望に応じた機能をカスタマイズして追加していきます。
オープンソースとは異なり、パッケージソフトを開発している会社からのサポートを受けられる点がメリットとなっています。ある程度開発されている所から構築を行うため、低コストかつ短期間でECサイト運営を開始できる点が特徴です。代表的なパッケージは「ecbeing」「EC-ORANGE」です。
パッケージとクラウドECの違いはセキュリティ面にあります。上述したようにクラウドECは自動的にセキュリティ対応が行われるため、安全性が高いです。これに対してパッケージは自前で用意したサーバーにインストールして利用するため自社でセキュリティ対応をしなればいけません。
年商10億円以上の法人はフルスクラッチ
ECサイトでの年商が10億円以上の法人の場合はフルスクラッチでECサイトを制作することをおすすめします。フルスクラッチとは、外部のシステムを一切使わずにゼロから自社のECサイトを構築する手法のことを指します。このようにフルスクラッチでECサイトを制作する際は非常に高い技術力と長い開発期間が必要になります。
フルスクラッチでECサイトを制作するメリットは以下の通りです。
- ゼロから制作するので自社にぴったりのECサイトを構築できる
- 保守対応、機能の追加に対応しやすい
やはり、カスタマイズ性は他の制作方法に比べて頭ひとつ抜けています。
しかしゼロからECサイトを制作するため、初期費用は数千万円、月額費用も数十万円かかるなどコスト面での負担は大きいです。加えて、デザイン、外部システムとの連携、セキュリティ面などのECサイト制作に関する様々なスキルを持った人材の確保も必要です。
このように導入のハードルは高いですが、必要な機能を自由に取り入れることができるため、ECサイトが大きな稼ぎ頭になっている年商10億円以上の企業はフルスクラッチでECサイトを制作することをおすすめします。
自社にECサイト制作のノウハウがない企業はEC制作代行がおすすめ
事業規模関わらず、自社にECサイト制作のノウハウがない企業はEC制作会社にアウトソーシングするのをおすすめします。もちろん、 EC制作会社はEC制作のプロです。自社で制作するよりもより完成度の高い売れるECサイトを提供してくれます。下記の関連記事でEC制作会社の選び方やおすすめEC制作会社を詳しくご紹介しています。
ECサイト制作費用の相場
ECサイトを制作する目的や予算、事業規模によって最適な方法が異なります。今後ECサイトを運営していくにあたっての長期的な費用対効果も踏まえながら自社に最適なECサイト制作方法を選定しましょう。
初期費用 | 月額費用 | 事業規模 | |
無料ASP | 0円 | 0円 | 個人 |
有料ASP | 数千円〜10万円 | 数千円〜10万円 | 〜年商1億円 |
クラウドEC | 数百万〜 | 数万円〜10万円 | 年商1億円〜 |
フルスクラッチ | 数千万〜 | 数十万円〜 | 年商10億円〜 |
ECサイトで費用がかかるのは制作段階だけではありません。今後ECサイトを運営する際には、広告やマーケティング費用、配送費用、ECサイト運営者の人件費・コールセンター費用など様々な費用が追加でかかることは頭に入れておきましょう。
またECサイト制作を構築会社に依頼する場合は、提案金額が提案内容に見合っているか確認しましょう。単純な見積もり金額だけで判断するのではなく、費用の内訳もチェックすべきです。また、できるだけ正確な見積もり金額を出してもらうためにも搭載したい機能やシステムは明確にしておきましょう。
①無料ASP②有料ASP③クラウドEC・フルスクラッチ それぞれのECサイト構築手順
上記でECサイトの構築方法の大まかな流れをご説明しましたが、どの制作方法を利用するかによってもECサイトの制作手順は異なります。
そこで以下では、無料ASP、有料ASP、パッケージ・クラウドEC、フルスクラッチのECサイト制作手順についてそれぞれ解説していきます。
大まかな流れはどの制作方法でも同様です。まず無料・有料ASPの場合はASPに登録する、クラウドEC・フルスクラッチの場合は設計、開発を行います。この後は商品登録→ECサイトデザイン→テスト注文を行います。
ECサイトを制作する際に重要なのはどのようなサイトを作りたいのか明確にすることです。サイトの着地点がはっきりしないと、ECサイトのデザインも必要な機能もシステムの要件定義も行うことができません。この工程にはじっくりと時間をかけましょう。
①無料ASPでのECサイト制作手順
(ⅰ)無料ASPに登録する
登録する個人情報は以下の3つです。
- ショップURL
- メールアドレス
- パスワード
無料ASPではショップのURLは、「独自ドメイン(有料)」か「サブドメイン(無料)」を選ぶことができます。ECサイトが初めてで、運営のノウハウがない方であれば、費用のかからないサブドメインから始めることをおすすめします。
その後、メールアドレス認証と運営に関する情報の設定で事業所の氏名や所在地などを入力します。
(ⅱ)商品を登録する
すでにここまででショップの公開は可能です。しかし、まだこのサイトは素敵なデザインも商品登録もされていません。まずはECサイトのデザインよりも先にECサイトで販売する商品を登録します。商品を登録してECサイトをデザインした方が商品の雰囲気にあったサイトを制作できるからです。
登録する項目は以下の通りです。
- アイテム名
- 価格
- 商品の写真
- 在庫数
- 商品の紹介文
商品の公開後はショップオーナーが自由に商品を削除、非公開にできます。商品登録はECサイトの売り上げに直結する最も重要な工程です。ECサイトでは実物の商品を見ることができないため、いかに商品の写真や紹介文で商品の魅力を十分に伝えられるかがカギになります。 商品写真を作成する際は以下の4点に注意しましょう。
- 写真全体で統一感があるか
- 画像の表示速度は遅くないか
- 使用感、素材感、サイズ感が伝わるか
- 食品であれば賞味期限、アパレル商品であれば洗濯の可否が商品画像に書かれているか
また、商品の紹介文にもこだわる必要があります。店舗であれば口頭で商品の魅力をたくさん伝えることができますが、ECサイトでは文字数が限られています。その少ない文字数でどう商品の魅力を伝えるかがカギになります。
商品の紹介文は以下の4点を意識して作成しましょう。
- 購入後に得られるベネフィットを書く
- このサイトで買うべき理由を書く
- あえてデメリットも書く
- 6W2Hでユーザーの知りたい情報を具体的に書く
(ⅲ)ECサイトのデザインを決定する
ここからECサイトをあなた色にカスタマイズしていきます。
無料ASPには、数十種類のテンプレートが用意されています。このテンプレートから自社のテーマに合致したテンプレートを選択します。また、ここでメインカラーも選定します。ユーザーがECサイトを利用している際に邪魔にならないようにシンプルなカラーを選ぶことをおすすめします。また、売れるECサイトは以下の特徴を持っています。
- 全体がわかりやすくシンプルなデザイン
- 購入までの導線がわかりやすい(購入までの手順がわかりやすい)
- ファーストビューにこだわっている
- スマホ、パソコンどちらでも見やすいECサイト
これらを満たせるようなテンプレートを選びましょう。売れるECサイトに関しては本記事後半の「売れるECサイトを制作するための4つのポイント」で詳しく解説しています。
(ⅳ)テスト注文をする
最後はテスト注文を行い、注文までの流れを購入者とサイト運営者の両方の視点から確認します。テスト注文をしておくことで実際に注文がされた際に落ち着いて対応することができます。
見るべきポイントはトップページからカゴまで問題なく到達できるか、表示崩れがないか、決済に不便はないかの3点です。特に注意が必要なのが、決済段階です。無料ASPにもクレジットカード決済や代引き決済、後払い決済など、様々な決済方法があるため、全ての決済方法を確認する必要があります。
②有料ASPでのECサイト制作手順
(ⅰ)自社に必要な機能は何か検討して有料ASPを選定する
有料ASPを構築する場合は、まず2社か3社ほどの有料ASPベンダーから資料を取り寄せたり、打ち合わせを行ったりしてASPベンダーを選定します。
ECサイト構築会社によって得意としている内容や提供しているサービスが異なるため、必ず何社か比べるようにしましょう。
この時に、どのASPベンダーでも自社の要件全てを実現することは難しい場合があります。
そのような場合に備えて、事前に自社の要件を明確にしお互いの優先順位も決定しておく必要があります。
要件自体や優先順位が明確になっていないと、ベンダーに実現したいことが伝わらず、多くの費用をかけてカスタマイズの高い構築方法を選択した意味がなくなってしまうためです。
ECサイト構築の際の要件の例は以下の通りです。
- 「海外販売も促進していきたい」
- 「SEO対策を行いたい」
- 「メールマーケティングも行って集客したい」
- 「画面は自社のデザイナーで自由に作りたい」
- 「このECツールをASPに連携したい」
このような要件を明確にできたら、自社の要望にできるだけ応えられる有料ASPを選定しましょう。
例えば代表的な有料ASPであるShopifyでは、越境EC運営、定期販売、メール配信、SEO強化に役立つアプリをインストール可能です。
このように、Shopifyはその他の有料ASPに比べてEC運営で役立つ機能が揃っています。そのため、有料ASPで迷ったらShopifyでいいでしょう。
ちなみにShopify通常プランの上位互換であるShopify Plusならチェックアウトページの編集もシングルサインオンの利用も可能です。
有料ASPを選定する際はそのASPのデメリットも把握しておくべきです。
もちろん有料ASPは無料ASPよりもカスタマイズ性があり集客に役立つ機能も豊富ですが、チェックアウトページの編集ができないことやシングルサインオンに対応していないなどのデメリットもあります。
チェックアウトページを編集できれば他社と差別化してブランディングできたり、シングルサイオンの機能があれば、ユーザーはパスワード管理の手間が減り、登録率と売上がアップします。このような弱点を持っているASPもあります。よってデメリットもよく調べた上で自社に適したASPを選定しましょう。
加えて、それぞれの有料ASPの価格や、実際に使用している知り合いから話を聞いてみたり、そのASPで構築してあるECサイトにアクセスし、商品を購入する直前までの操作を行ってみるなどすると、よりASP同士の比較がしやすくなります。
(ⅱ)商品を登録する
次に無料ASP同様、自社ECサイトで扱う商品の登録を行います。 商品の登録に必要な項目は以下の通りです。
- アイテム名
- 価格
- 商品の写真
- 在庫数
- 商品の紹介文
無料ASP同様1商品ごとに登録することもできますが、商品登録数が多い場合や他のECサイトですでに登録している商品であればCSVデータを利用した一括登録機能でまとめて商品を登録することをおすすめします。有料ASPでは「CSVファイルのアップロード機能」が搭載されています。
このツールは非常に便利ですが、一括商品登録を利用した結果商品の紹介文があまりにも機械的になってしまっては意味がありません。ECサイトでは実物の商品を見ることができないため、商品写真と紹介文は唯一のアピールポイントです。それゆえ有料ASPでも、商品の紹介文や商品写真は売上を左右するとても重要な要素になります。売り上げをあげたいのであればこの2点にはこだわりましょう。具体的には商品紹介文はユーザー目線で顧客の知りたいことを具体的に記載する、商品写真は商品の裏側だけでなく内側、裏面も掲載し使用感や素材感、サイズ感がわかるようにしましょう。
どうしても商品写真だけで商品の魅力が伝わらないのであれば、動画の活用をおすすめします。ShopifyであればECサイトにショート動画を設置することができます。動画を活用して、より明確に商品の素材間や使用感を伝えましょう。
(ⅲ)ECサイトのデザインを決める
有料ASPは無料ASP同様、用意されたテンプレートからECサイトのデザインを選びます。テンプレートを利用する際は、以下の3つのポイントを留意しましょう。
- ECサイトのテーマと必要な機能なのか見極める
- トップのページだけでなく、全てのページを確認してからテンプレートを決める
- 「カスタマイズはどこまでできるか」「機能は十分か」など、テーマの特徴を理解する
有料ASPではHTMLとCSSの知識を持っている方なら、本格的なカスタマイズを行うことができます。また、WEBデザイナーや制作会社に外注という形で依頼してECサイトのデザインを行うことも可能です。テンプレートを使用する場合には有料ASPの基本料金以外に追加料金がかかることはありませんが、デザインを外注する場合には追加費用が20万円~100万円ほどかかります。しかし、欲しい機能がより備わった、他社とは差別化されたECサイトを制作できるため追加費用を払う価値はあると言えます。
売れるECサイトはどのようなデザインなのかは本記事後半「売れるECサイトを制作するための4つのポイント」で詳しく解説しています。
(ⅳ)テスト注文をする
ECサイトの制作と商品の登録が完了したら、無料ASP同様、有料ASPでもテスト注文を行い、自社ECサイトの運営フローに不備がないかを確認します。この作業時は、機能面で不備がないかだけでなくユーザー視点に立って自社のECサイトが使いやすいかも考慮する必要があります。
③クラウドEC・フルスクラッチでのECサイト制作手順
(ⅰ)要件定義を行う
フルスクラッチでCEサイトを制作する際もやはり重要になるのは要件定義です。自社が抱える問題とECサイトを制作する目的を明確にして、要件を定義することをおすすめします。また、要件定義ではざっくりとした費用感と期間を定めることも重要になります。フルスクラッチは莫大な費用と期間がかかります。費用や期間を定めていないと、じわじわと費用も圧迫し、さらにスケジュールも遅延してしまいます。初期段階で根拠のある制作費用と期間を定めましょう。
(ⅱ)ECサイトの設計を行う
画面設計、機能設計、項目定義などの基本的な機能の設定を行います。設定した要件を満たすことのできるような機能を設計する必要があります。
(ⅲ)プログラム開発
要件定義を行った後はプログラムを開発します。クラウドECとフルスクラッチではこの手順が全工程の中で一番重要で工数・費用共にかかります。
しかし、カスタマイズを行わずに基本機能のままでシステムを搭載する手法もあり、その場合には費用と開発時間を大幅に短縮することができます。この工程は企業によって様々でなので詳しい解説は省きます。
(ⅳ)システムテスト・テスト注文
最後はシステムテストとテスト注文です。まずはシステムテストで開発したシステムがしっかりと制作した設計書通りに機能しているかを確かめます。欠陥があるまま、リリースしてしまうとユーザーに迷惑をかけてしまう可能性があります。システムテストの段階で欠陥はゼロにしておきましょう。
テスト注文では他同様、以下のポイントをチェックしていきます。
- ・目当ての商品は見つけやすいか
- ・購入までのサイトの動きはスムーズか
- ・購入の際の入力事項が大いなどユーザーにとっての不便はないか
売れるECサイトを制作するための4つのポイント
せっかくECサイトを制作しても売上が上がらなければ作った意味がありません。ここでは「売れるECサイトを制作するための4つのポイント」をご紹介します。
美しいサイトではなく買いやすいECサイトを制作する
先ほども述べたとおり、ECサイトを制作する一番の目的は商品が売れることです。どんなに美しいデザインのサイトを制作したとしてもユーザーから買いにくいと思われてしまえば売り上げは上がりません。ユーザーが求めているのは買い物をしやすいECサイトです。買い物がしにくいECサイトの特徴は以下の通りです。
- 購入ボタンが小さく、どこにあるのかわからない
- 商品説明が長すぎる・短すぎる
- 買うべき商品がどれかわからない
自社のイメージを崩さないように注意しながら、ユーザーが買い物をしやすいECサイトを制作しましょう。
ページの表示速度を早くする
売れるECサイトはページの読み込みが早いです。ページの読み込みが遅いとユーザーは買い物中にイライラしてしまい、離脱してしまいます。ECサイトに無駄な動きがないか、重い画像、動画を使っていないか確認しましょう。
ファーストビューにこだわる
WEBサイトに訪れたときに最初に見える画面のことをファーストビューといいます。訪問したユーザーはそのサイトが自分の求めているものかどうかをファーストビューを見て2秒で判断します。
ファーストビューが魅力的ではなく、どんな商品を扱っているのか一目で分からないサイトであればユーザーはそこで離脱てしまいます。そのサイトで一番伝えたいこと、ユーザーの興味を引く情報はファーストビューで見せて、興味をひきましょう。
スマホ・パソコンどちらでも見やすいデザイン
最近、ユーザーはスマホで買い物をすることが多くなりました。そのためパソコンだけでなく、スマホでも見やすいECサイトを作ることの重要度は近年増しています。レイアウトが崩れているサイトを見るとユーザーは一気に買う気をなくします。そのためパソコン、スマホのウィンドウ幅に対して表示が変わるレスポンシブデザインの搭載は必須といえるでしょう。
ECサイトを制作する前にやるべき5つのこと
競合サイトを分析して自社を見つめ直す
ECサイトの制作を始める前に、同じ業界の競合他社のECサイトを分析しましょう。ECサイトでの売り上げアップのためには自社の強み、顧客ニーズを把握することが非常に重要です。以下の観点から競合サイトを分析して自社を見つめ直しましょう。
- ・競合他社と比較して自社の強みは何か?(差別化要素はどこか?)
- ・他社の売れ筋商品から分かる顧客のニーズを何か?
- ・他社の強みを自社で転用できないか?
一番売りたい商品を選定する
ECサイトを制作する前に一番売りたい商品を選定するのも非常に重要です。「訪問者がこのサイトで何を買えばいいのかわからず結局離脱してしまう」というのはECサイトのよくある失敗事例です。このような失敗をしないためにも「うちのサイトではこの商品を買えば間違いない」といった明示が必要になってきます。ECサイトを制作する前に一番売っていきたい商品を選定しましょう。
集客方法を選定する
せっかく魅力的なECサイトが完成しても集客できなければ制作した意味がありません。そのため、自社にあった集客方法を選定するのは重要です。ECサイトを開設したばかりの企業におすすめの集客方法はリスティング広告です。リスティング広告とは費用を払えば、GoogleやYahooで最上位に表示してもらえる広告のことです。
立ち上げたばかりで知名度がない場合は広告以外で集客するのは不可能に近いです。1クリックごとに費用はかかってしまいますが、ECサイトを構築したばかりの時期は必要経費と捉えましょう。その他の集客方法は以下の関連記事でたっぷり解説しています。
商品写真を用意する
どんなに商品が魅力的でも商品写真で魅力が伝わらなければ、ユーザーは購入まで至りません。特にECサイトは実物見ることができないので、商品写真は重要です。サイズ感や素材感、使用感などが伝わるような商品写真を撮るよう心がけましょう。
物流体制は万全かどうか確認する
ECサイトの開設初期でよくあるのが物流体制が万全でなかったが故に商品が売れたのに、商品がうまく届かずに顧客満足度が低下してしまうケース。ECサイトをスタートしてすぐは売れないだろうからと物流体制を疎かにしてしまうと悲惨な結末が待っています。
しかし、ECサイトを制作する時期は同時に商品開発や集客も行わなければならないため、物流体制構築の他に時間が取られてしまいます。そのため、物流業務をアウトソーシングするのは1つの有効な手でしょう。以下の関連記事で物流アウトソーシング(フルフィルメント)をご紹介しています。
ECサイトを制作した後は運営に専念!
ECサイトを制作した後に待っているのが運営です。どんなに魅力的なECサイトを制作しても運営がうまくいかず集客できなければ売上を上げることはできません。ECサイトの運営業務には「商品企画」「受注・在庫管理」「顧客対応」があり、全て売り上げに直結します。
ECサイトを制作し終わった後は運営に専念し、その魅力的なECサイト共に売り上げを上げていきましょう。ECサイト運営に関する詳しい内容は以下をご覧ください。また、ECサイトの運営をプロに任せることができるEC運営代行サービスもあります。こちらも以下の記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ECサイトの制作手順や制作費用の相場、構築方法の選び方について詳しくご説明いたしました。
自社の事業規模や目的にあったECサイトの制作方法を選ぶことで、その後の運営をよりスムーズに行うことができるようになります。
今回の記事が皆様のお役に立てば幸いです。
ECサイト制作ならアートトレーディング
世界170か国以上のNo.1シェアを誇るグローバルECプラットフォーム「shopify」を導入した自社ECサイト制作をご提案いたします!
当社は、15年以上の実績・100社以上のECサイト構築運用 経験でお客様のお悩みを解決してまいりました。
新規のECサイト制作、既存サイトからの移転・乗り替えだけでなく、運営代行・コンサルティング・在庫連携・物流まで幅広くサポートが可能です。
EC支援といってもお客様の状況はさまざまです。これからECサイトを展開したい、サイトはあるが販売促進のノウハウが欲しい、スタッフが足りなくて人手が欲しい等々…。
現在の状況を分析し、ニーズに合った提案を行い、実践し、ECサイトだけでなくお客様ともども成長していただけるような支援を行います。