フラッシュマーケティングとは?メリットや注意点、ファッション業界での成功事例をご紹介します。
短時間で集客を行うフラッシュマーケティングやフラッシュセールは、現在多くのECサイトで行われています。今回はそんなフラッシュマーケティングについて、メリット・デメリットやファッション業界でのECサイト成功事例を踏まえてご紹介していきます。
フラッシュマーケティングとは
近年、多くのECサイトやECモールが立ち上がり、インターネットショッピングへの需要も増加する中で、様々なクーポンやキャンペーンが企画されてきました。期間限定や時間限定での割引や、ポイント・特典の付与などもそれらのうちの一つです。
そして、こういった比較的短い期間限定のクーポンやキャンペーンを提示するマーケティング手法を、フラッシュマーケティングと呼びます。「Flash」には「瞬間」や「短い期間」という意味があり、24時間限定クーポンや3日間限定キャンペーンなどがこれにあたります。
フラッシュマーケティングの火付け役Groupon(グルーポン)
アメリカでは、フラッシュマーケティングの確立以前から、「One deal a Day (Deal of the day)」という24時間限定で販売を行う手法が存在していました。そんなアメリカからフラッシュマーケティングが誕生し、確立していく火付け役となったのが「Groupon(グルーポン)」です。
フラッシュマーケティングの代表格Groupon(グルーポン)とは
Groupon(グルーポン)は、シカゴで設立された「共同購入型クーポン」の販売サイトを運営する企業です。日本でもグループ会社の「グルーポン・ジャパン」が設立されています。
Groupon(グルーポン)が提供する「共同型購入型クーポン」とは、特定の期間と購入数を定め、期間内にその購入数が達成された場合のみ割引クーポンが発行されるというものです。
発行されるクーポンの割引率が高いため、クーポンを利用したいユーザーが、期間内に購入数を達成するため自発的に宣伝を行ってくれるという特徴があります。期間限定とユーザーにとってお得な条件という強みを十分に生かした「共同型購入型クーポン」は、フラッシュマーケティング手法として広まっていきました。
大きな波紋を呼んだ”おせち事件”。Groupon(グルーポン)は2020年に日本市場を撤退
フラッシュマーケティングで成功したGroupon(グルーポン)ですが、2010年の年末から2011年の年明けにかけて起きた問題により、世間を騒がすことになりました。2010年12月、Groupon(グルーポン)サイトを利用したある店舗が、規定購入数を達成しおせちの50%offクーポンの発行に成功しました。しかし、販売元店舗ではクーポン発行数の調理と納品に時間がかかり、配送遅延や提示されていた商品内容との相違が起きてしまいました。
この事件は販売元店舗への措置命令と、サービスへの信頼度低下に繋がりました。そこで、Groupon(グルーポン)はクーポン発行店舗の審査基準改訂や店舗のサポート・審査専門部署を設置するなどの業務改善を行いました。2020年までサービスは続きましたが、同年9月Groupon(グルーポン)は日本市場撤退を表明し、サービスを終了することとなりました。
フラッシュマーケティングのメリット
フラッシュマーケティングを取り入れることで見込まれるメリットをご紹介します。
集客効果がすぐに表れる
24時間や48時間など短い期間を規定しているため、お客様の意志決定も早く、集客効果を比較的短時間で実感することができます。また、期間が短いためキャンペーン開始から次回キャンペーン開始までのサイクルを縮めることができます。
潜在顧客の後押しになる
自社サイトでの購買を迷っている潜在顧客層に対して、期間限定の低価格という付加価値を提示することで、期間内の購買を促すことができます。また、定期的なキャンペーンを企画することで、他社よりも安価で購入ができるという差別化も可能です。
余剰在庫の販売
期間限定で安くショッピングができるとなると、「損をしたくない、できるだけ安く買いたい」と思う心理から、普段であれば買わない商品も今なら安く買えるからという理由で購入することがあります。比較的人気のない商品や、仕入れすぎてしまった商品など、余剰在庫のある商品を対象に含めることで、抱えていた在庫を売上に変えることができます。
フラッシュマーケティングのデメリットや注意点
フラッシュマーケティングにより考えられるデメリットや、トラブルにならないよう気をつけなければならない注意点をご説明します。
ブランディングの妨げになることも
キープしていた価格帯を崩すことで、ブランディングの妨げになることがあります。定期的なセールなどとは違い、フラッシュマーケティングは一時的なものなので、比較的その可能性は低いと言えますが、市場のブランドイメージを調整できるよう注意しなければなりません。
手数料がかかることも
自社サイトで集客からクーポンの発行まで行うことができれば問題はありませんが、認知度の低い場合はフラッシュマーケティングのプラットフォームを利用することで強い集客効果が見込めます。しかし、それらのサービスを利用するには手数料がかかるため、自社に適した方法を選びましょう。
景品表示法を守って信頼度低下やトラブルを防ぐ
前述のGroupon(グルーポン)のおせち事件のように、キャンペーンや商品の内容と実際にお客様に提供されるものに相違があると、信頼を失ってしまいます。また、定価を割引後価格として表示したり、間を開けずに期間限定のセールをすることは景品表示法に違反してしまう可能性があります。トラブルを防ぐため、利用者数の予測や誇張表現に気をつけるなどの計画を立てておきましょう。
景品表示法に関しては、こちらの記事も参考にしていただけると幸いです。
フラッシュマーケティングのファッション業界成功事例
フラッシュマーケティングは需要も大きく商品の幅も広いファッション業界で多く使われています。そんなファッション業界でのフラッシュマーケティング成功事例をご紹介します。
GILT
「GILT」は、ハイブランドも多数出店しているモール型ネットショップです。閲覧数も多く、商品も数多く取りそろえられています。毎日21時から行われるセールでは最大70%OFFでの商品購入が可能です。
LOCONDO
「LOCONDO」は、約3万アイテムと豊富な品揃えを展開している、靴&ファッションのショッピングサイトです。季節限定や週末限定といったいくつかのセールが、常に企画されています。また、購入品のサイズ交換や返品などが無料で行える「自宅で試着サービス」など、ネットショッピングの満足度向上のための工夫も多いことが特徴です。
ベルコスメ
ファッション業界に近しいコスメのECサイトについてもご紹介します。ベルコスメでは有名コスメブランドの商品1万点以上が取りそろえられ、アウトレット特価や多様なクーポンが用意されており、最大89%OFFでの購入が可能です。また、ベルコスメは国内最安値を目指しているところも魅力です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。現在多くのECサイトで行われているフラッシュマーケティングは、メリットや期待できる効果も多いですが、注意するべき点も多数存在します。ブランディングや商品の価値をコントロールしながら、計画的に取り組んでいくことが重要です。
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