Last Updated on 9月 16, 2021 by ART TRADING
インターネットやSNSで他人の意見が身近になった現代で、人々が購買を決定する際に重要な指標となってくるのが口コミです。今回は、そんな口コミによるマーケティング手法である「バイラルマーケティング」について、バズマーケティングとの違いやビジネスのポイント、成功・失敗事例についてまとめてご紹介します。
Contents
話題の口コミマーケティング、バイラルマーケティングとは?
様々なマーケティング手法がある中で、SNSや口コミサイトなどでの人々の「口コミ」を使って商材の認知を広めていくのが「バイラルマーケティング」です。
バイラルマーケティングの「バイラル」とは、「感染的な」という意味を持つ「viral」が元になっています。「virus(ウィルス)」が感染・増殖するように、人から人へ不特定多数に情報が広がっていくのがバイラルマーケティングです。
思わず誰かへ教えたくなるような魅力的なコンテンツを用意することで、良いものを見つけると身近な人へ共有したくなるという人の心理を利用し、自動的に拡散されていくというのがバイラルマーケティングの特徴です。
バイラルマーケティングとバズマーケティングの違い
バイラルマーケティングと同じく、インターネットやSNSを用いて行われるバズマーケティングについて、違いをご紹介します。
バズマーケティングとは?
現在、SNSなどへの投稿が多くシェアされることを「バズる」と言います。「Buzz(バズ)」とは、「ざわつき」という意味です。バズマーケティングも、バイラルマーケティングと同じく口コミを利用したマーケティング手法です。
宣伝したい商材について、人為的に注目される流れをつくっていくのがバズマーケティングです。例えば、強い影響力を持つインフルエンサーに宣伝を依頼する「インフルエンサーマーケティング」もバズマーケティングの一種です。
バイラルマーケティングとバズマーケティングの違いは、企業の介入度
バイラルマーケティングでは、良い商品の所感を他人へ伝えたいという心理を利用し、人為的ではなく自然発生的に注目を集めていきます。一部の有名人だけでなく全ての人が情報元となりうるため、誰もが共有したくなるようなコンテンツを作成することに重点が置かれます。
一方で、バズマーケティングは人為的に人々の注目を集めていくものです。そこには、ターゲット層に影響力のある人物に商材を取り上げてもらうための依頼関係が存在します。また、継続的に注目されるよう、企業は施策を行っていきます。バイラルマーケティングとバズマーケティングには、このように注目の集め方において企業の介入度が低いのか、高いのかという違いがあります。
バイラルマーケティングによる効果
バイラルマーケティングを行うことにより得られる効果やメリットをご紹介します。
顧客からターゲット層へのアプローチが可能
自社コンテンツに興味を持ってくれた顧客が、近しい人へ情報を拡散してくれることで、自然とターゲット層へのアプローチができます。また、インターネット上の知らない人からの共有ではなく、知り合いから届く情報のため、信頼も得られやすくステルスマーケティングなどとは差別化することができます。
低コスト
バズマーケティングでは、情報拡散の起点となる人物に商材を宣伝してもらうために依頼料がかかります。しかし、バイラルマーケティングであれば、顧客それぞれが起点として機能してくれるため低コストで効果を上げることができます。
バイラルマーケティングのやり方
バイラルマーケティングの手法をご紹介します。
1次的バイラルマーケティング
ユーザー自らがコンテンツを紹介したいと考え、知人に向けてシェアしてもらう手法です。共有という行動へ移してもらうためには、ユーザーの心に響くインパクトが必要です。感情に訴えかけるために、画像や動画などのクリエイティブも活用しましょう。
2次的バイラルマーケティング
シェアという行動に魅力的な報酬をつける手法です。例えば、ソーシャルゲームのSNSシェアキャンペーンや、飲食店のクーポンプレゼントなど、顧客にも企業にも利益があることが特徴です。シェア後の報酬がユーザーにとって魅力的でない場合は、あまり効果はみられないので注意が必要です。
バイラルマーケティングビジネス成功へのポイント
バイラルマーケティングを行っていく際には、ユーザーがコンテンツに共感し、拡散していく「仕組み」をつくっていくことが重要です。
注目されるコンテンツを作る
顧客に自発的に共有したいと思ってもらえるようなコンテンツを作成することが、バイラルマーケティングでは最も重要になります。
例えば、感動するほど手が込んだモノや、独創的で今まで観たことがないようなモノ、また自分でもやってみたいと思えるようなモノなどは宣伝効果を生みやすいです。
ターゲットとなるユーザーが興味を持つものをつくるために、流行やニーズも積極的に取り入れましょう。
ターゲット層とマッチするメディア
せっかくユーザーの胸を打つコンテンツを作成できたとしても、拡散先にターゲット層が少なければ効果は低くなります。年齢や性別、生活背景など、ターゲットの属性を考慮し、それぞれに見合ったメディアでの拡散を目指します。
シェアしやすい状況をつくる
コンテンツを簡単に共有する事ができれば、ハードルが下がり多くのユーザーによる拡散が見込めます。ページ下部に「友達に教える」「メールで共有する」などのボタンをつけることで、より簡単かつ気軽に拡散へアクションを起こしてもらえるようになります。
バイラルマーケティングは違法とされることも。注意点をご説明します。
バイラルマーケティングは、基本的に一般消費者から一般消費者へ情報が拡散されていく手法です。企業がPRとして存在感を示さない分、ステルスマーケティングを疑われてしまう可能性もあります。
ステルスマーケティングとは、実際には報酬を受け取って宣伝を行っているのにも関わらず、中立的な一般消費者として立場を偽って行われる広告活動です。
信頼度やイメージダウンに繋がると同時に、景品表示法に違反する可能性もあります。海外ではステルスマーケティングは違法とされている場合があるので、越境して広告活動を行う際には注意が必要です。
バイラルマーケティングのために作成したコンテンツがうまく拡散できていなくても、PRであることが消費者から一目でわかるバズマーケティングにシフトするなど、ステルスマーケティングではない方法を探しましょう。また、自社の情報が間違って拡散されていないかの軌道修正や、ネガティブな口コミへの対応をする準備をしておきましょう。
バイラルマーケティングを実際に行っている会社の事例をご紹介!
JR東日本
参照:JR SKISKI
JR東日本は、毎冬行われる「SKISKIキャンペーン」のために、話題の女優・俳優を起用して広告を打ちます。「ぜんぶ雪のせいだ」や「この雪には熱がある」など、雪や冬に関するキャッチコピーがおなじみです。美男美女と白い雪のコントラストは、まさに皆が拡散したくなるようなコンテンツです。毎年継続して打ち出しているということもあり、その年の広告が公開されると、瞬く間に広まっていきます。
キリン
参照:キリンビバレッジ
キリンの「プラズマ乳酸菌SPECIAL STUDENT」のCMです。小学生時代のあるあるといったユニークなCMで、ターゲット層の共感とこのCMを誰かに見せたいという気持ちの刺激に成功しています。
江崎グリコ
参照:ポッキー&プリッツの日
11月11日といえば、「ポッキー&プリッツの日」として有名です。
やってみたくなるダンスや、誰でも参加できるSNSでのキャンペーンなどの手法を用い、バイラルマーケティングを成功させています。
バイラルマーケティングの失敗事例
バイラルマーケティングは、人々の口コミが広告媒体です。そのため、出稿量を予測しコントロールすることが困難です。
実際に、拡散の想定ができておらずトラブルになってしまった例があります。米国のある企業では新店舗開店の際に、「Eメールを10人に出したら割引を行う」といったバイラルマーケティングを行いました。新店舗の認知という面では成功しましたが、一部のユーザーが割引目当てに知人以外にもメールを送り、この紹介メールがスパムメールであると捉えられてしまったというケースがあります。
バイラルマーケティングを学ぶためにおすすめの本をご紹介
『バイラルマーケティング』
参照:翔泳社「バイラルマーケティング」
口コミによるマーケティングをバイラルマーケティングと名付けたセス・ゴーディン著の日本語訳本です。近年多く出版されているマーケティング関連本の中でも、インターネット領域での「売れる仕組み」についてまとめられています。原題は『Unleashing the Ideavirus』です。
現在人々に認知されている話題のWebサイトの成功例や失敗例から、注意すべきポイントを教えてくれています。また、情報の起点となり得るユーザーをタイプ別に分類し、それぞれの特徴から情報拡散成功への方法論を提示しています。
まとめ
低コストかつ宣伝効果やイメージアップが期待できるバイラルマーケティングは、今後もインターネットが強い影響力を持つ世界で存在感を持つマーケティング手法です。何もせずとも情報が広がっていく反面、管理が難しくステルスマーケティングに見えてしまうという課題もあります。社会の情報リテラシーのレベルを踏まえて、広告拡散方針を決めていくことが重要かと思います。
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