Last Updated on 10月 7, 2021 by ART TRADING
新型コロナウイルスの流行により多くの企業が窮地に立たされています。実店舗の売り上げは著しく落ちている一方で巣ごもり需要により、ECサイトの売上は上昇傾向にあります。時勢に対応するために、新たにECサイトの開設を検討している企業は多くあります。しかし、EC開設の初期費用に関して、不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回はECサイト開設によって利用可能になる補助金について、申請方法や、支給額を説明します。
Contents
ECサイト構築に利用できる補助金
国は企業の行う様々な活動に対する補助金を出しています。その中でも、ECサイトの開設によって認定されるような補助金を紹介していきます。今回は二つの主な補助金について取り上げて、申請の方法などを説明していきます。
小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型
日本商工会議所の補正予算の補助金です。特に小規模の企業向けに、販路開拓やIT活用の取り組みに対して補助金を出します。
従来の小規模事業者持続化補助金は最大50万円の支給でしたが、コロナ特別対応枠が設けられ、100万円まで補助される補助金として追加されました。これには「非対面型ビジネスモデルへの転換」という条件があり、ECサイトの開設による認定が見込めます。
というのも、非対面型ビジネスモデルへの転換は、今まで実店舗で対面のビジネスを行っていた会社がECなどの非対面型のサービスの展開をすることで達成されるからです。
補助の対象となる事業とその条件
補助の対象となる事業は以下のような事業が挙げられます。
・サプライチェーンの毀損への対応
コロナウイルスにより、障害が生じた顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や商品開発を行うことです。他社の営業停止に対応するために新たな生産要請に応えるなどの業務が対象になります。
・非対面型ビジネスモデルへの転換
非対面・遠隔でサービスを提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備投資です。実店舗での販売を行っている事業者がEC販売に取り組むための投資などがあたります。また、無人のレジの設置や窓口対応を無人にするための設備への投資も補助の対象です。
・テレワーク環境の整備
従業員がテレワークをできるような環境を整備するための投資です。WEB会議システムの導入や、テレワークに関わるクラウドシステムの導入が補助対象になります。ただし、PCやタブレット、WEBカメラなどのハードウェアの購入費用は対象外であることが注意点です。
小規模事業者持続化補助金の補助対象になるためには補助対象経費の6分の1以上がこれらのような業務に使用されていることを証明する必要があります。
小規模事業者持続化補助金を受け取るための流れ
補助金を受け取るまでのステップは大きく分けて3つです。以下で説明します。
①補助金の申請をする
まず経営計画書・補助事業計画書を作成します。これらの書類は指定の様式のものがあり、商工会議所のページからアクセスすることができます。
二つの書類を作成したら、地域の商工会議所で事業者が補助対象としての要件を満たしているか等の確認を受けます。確認を受けたのちに、日本商工会議所(補助金事務局)へ申請書類を送付します。
②事業の実施
審査を受け交付が決定すると、計画に基づいて事業を実施します。企業は非対面型のビジネスモデルを実現するための施策を行います。この時に、売上が前年同月比で20%以上減少している小規模事業者には概算払いによる即時交付が認められています。
③実施確認後、補助金を事業者に交付
事業を実施後、実績報告書を提出します。報告書の不足、不備がないことの確認が終わり次第、補助金の請求を行うことができます。
IT導入補助金制度
正式名称は「サービス等生産性向上IT導入支援事業」で、IT事業を支援するITツールを導入する際に、費用の一部を国が補助してくれるという補助金です。具体的には、ホームページ作成サービスやECサイト構築サービスなどの導入に補助金が出ます。
なお、助成の対象となるのはIT導入支援事業者として認定された企業のサービスであり、サービス導入前によく確認する必要があります。また、コロナウイルスの流行に対応した特別枠は遡及して申請することもできます。(2020年4月7日以降にITツールを導入した場合なら遡及が可能)
IT導入補助金を申請する流れ
IT導入補助金を申請するにはいくつかの段階を踏む必要があります。今回は新型コロナウイルス対応のための特別枠の申請の流れについて詳しく解説させていただきます。
①申請に必要なgBbizIDを取得する
IT導入補助金の申請は全てオンラインで行う必要があります。そこで、申請の手続きを行うためには行政サービスに利用可能な「gBbizIDプライムアカウント」の利用が必須になりました。
「gBbizIDプライムアカウント」はgBbizIDのホームページから取得することができます。このID一つで様々な行政サービスにログインできるようになるため、補助金に関わらず取得することをおすすめします。
gBizIDプライムアカウントID発行までは2週間ほどかかるため、早めのアカウントの取得が望ましいです。
②導入するITツールを選定する
自社の課題を解決するようなITツールの導入をします。この際に、IT導入支援事業者のITツールかどうかを確認する必要があります。認定されていない事業者のITツールを導入しても補助の対象とならないため、よく確認しなければなりません。
また、必要なITツールが分からない場合は、IT支援事業者や専門家のサポートを受けて選定することもおすすめします。なお、補助の対象となるIT導入支援事業者の一覧は以下のページから見ることができます。
参照:令和元年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業
③申請マイページ開設
ここからは商談を進めているIT導入支援事業者と連携しながら申請を行っていきます。申請者は導入支援事業者から受け取った招待メールに記載のURLから申請マイページの開設を行います。この際、gBizIDを使ってログインすることになります。
④交付申請の作成開始
申請マイページに基本情報、財務情報、経営情報、必要書類の添付、申請類型の情報を入力していきます。この時に添付する必要書類は法人による申請か個人事業主による申請かによって変わってきますが、今回は法人による申請の場合の紹介をさせていただきます。
法人が交付申請するにあたって、必要な書類は以下の二点です。
・履歴事項全部証明書(交付申請日から遡って、3か月以内)
・法人税の納税証明書(直近分のもので、税務署の窓口にて発行されているもの)
⑤交付申請情報の入力
まず、IT導入支援事業者が申請者が入力した情報を確認し、導入するITツールの情報を入力します。その後、申請者側が申請要件の確認や賃金情報、申請内容の確認をします。
⑥事務局への提出
SMS認証により本人確認を行い、交付申請を事務局へ提出します。事務局へ提出した後に申請内容の訂正や、書類の差し替え等はできません。そのため、提出前に十分に確認する必要があります。
⑦交付決定
事務局による審査を受け、採否結果が通知されます。交付の決定を受ける前に、契約・発注、支払い等を行った申請は補助金の交付を受けることができないため、必ず採否結果が通知され、交付の決定を受けた後に事業を開始しなければなりません。
⑧事業の実施と実績報告
契約・発注を行い、事業を開始させます。支払いの証明をするために、振込明細書やネットバンキングの取引画面を提出します。この際に口座から口座へ支払っていることが確認できる必要があり、現金で支払うことは認められていません。
⑨補助金交付
確定検査の結果、事業が適切に実施されたことが認められると、補助金の交付をします。補助金は事務局から申請事業者へ直接支払われます。IT導入支援事業者は導入後もサポートを行います。
なお、補助金の受給後は申請区分に応じて3年または5年間、生産性向上率の情報の報告を一年に一度行う義務があります。
各補助金の助成金額
各補助金の助成金額を申請類型別にまとめました。
小規模事業者持続化補助金
一般型とコロナ対応特別型に分かれます。
A型はサプライチェーンの毀損への対応、B型は非対面型ビジネスモデルへの転換、C型はテレワーク環境の整備に関わる補助金の類型です。
補助上限額 | 補助率 | |
一般型 | 50万円 | 3分の2 |
コロナ特別対応型(A型) | 100万円 | 3分の2 |
コロナ特別対応型(B型) | 100万円 | 4分の3 |
コロナ特別対応型(C型) | 100万円 | 4分の3 |
IT導入補助金
30万~150万円のITツールを導入するA類型、150万~450万円のITツールを導入するB類型、新型コロナ対応の特別枠のC類型があります。
C類型-1はサプライチェーンの毀損への対応に関わる類型で、C類型-2は非対面型ビジネスモデルへの転換やテレワーク環境の整備に関わる類型です。
補助上限金額 | 補助率 | |
A類型 | 150万円 | 2分の1 |
B類型 | 450万円 | 2分の1 |
C類型-1 | 450万円 | 3分の2 |
C類型ー2 | 450万円 | 4分の3 |
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はECサイトを構築する際に利用できる補助金について説明させていただきました。新型コロナウイルスの流行により、多くの企業が新しいITツールの導入を考えていると思います。国がITツールの導入に補助金を出してくれている今、ECサイト開設の際の補助金の利用を考えてみてはいかがでしょうか。
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